美しいメロディの名曲以外は収録されていない完璧なアルバム。レオン・ラッセルの曲を新たな解釈でよみがえらせた<1>A Song For You 、やさしいカントリータッチが穏やかな雰囲気を生む珠玉のメロディ<2>Top Of The World …へと続いていく。
晴れやかな力のあるドラマチックな<3>Hurting Each Other、キャロル・キングによる究極の恋心ときめきソング<4>It's Going To Take Some Time 、リチャードの傑作小品<8>Flat Baroque 、シンプルで力強い<10>I Won't Last A Day Without You。こうして<13> A Song For You (Reprise) が終わるとまた<1>が聴きたくなって、気づくと知らないうちに外が明るくなってしまうことも…。そんなふうに魅入られしまうほど恐ろしいアルバムである。(麻路 稔)
前作『ソング・フォー・ユー』と並ぶ傑作アルバム。「セサミ・ストリート」の挿入歌で、子どもにはぜいたくすぎる名曲<1>Sing から一転、曇り空の下で憂いの表情を浮かべるカレンが容易に想像できるレオン・ラッセルの見事なカヴァー<2>This Masquerade 、バート・バカラックに匹敵するリチャードのインスト<3>Heather を挟み、ハンク・ウィリアムズのカントリー・ポップスのカヴァー<4>Jambalaya での空騒ぎから、カレンの重い苦悩が滲み出る<5>I Can't Make Music へと連なる流れが完璧。そして彼らの曲の中でおそらく一番有名な<6>Yesterday Once More は、この18分8秒あるメドレーで聴いてこそ意味がある。(麻路 稔)